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2012/04/26

TM NETWORK完全復活“人間はどんな困難でも乗り越えられる”

 4月25日 待望のニューシングル『I am』をリリースしたTM NETWORKが、日本武道館にて待望のワンマン公演【TM NETWORK CONCERT -Incubation Period-】を開催した。

 ステージを覆う巨大なベールに映し出されるカウントダウン。残り2時間強で数字はゼロになる。その現実を観客に察知させると、続いてTM NETWORKのライブ映像が流れ始め、遠くから『ELECTRIC PROPHET(電気じかけの予言者)』が聞こえてくる。そしてベールが落ち、かつてのイメージカラー(小室哲哉:BLACK 宇都宮隆:RED 木根尚登:BLUE)を想起させるスーツ姿の3人が登場すれば、各年代のファンで埋め尽くされた客席から嬌声が飛び交い、そこで放たれた『We love the Earth』では早々に大合唱が巻き起こる。

 1994年5月 東京ドーム2days公演【TMN 4001 DAYS GROOVE】にて活動終了するも、99年に復活。以降、不定期ながらも作品をリリースし、コンサートも実施していた彼らだが、今回の再始動に関してはいつもと意味合いが違った。3人揃ったTM NETWORKとはもう会えないかも知れない。2008年から2009年にかけて、そうした不安を抱いたファンは数多くいただろう。故にこの瞬間、3人から解き放たれた『We love the Earth』には誰もが熱狂し、嬉しそうに「WOW WOW WOW WOW WOW」と何度も共に歌い上げていた。

 そんな感動的な再会を果たしたTM NETWORKとファンだが、3人はどうやらあの頃の少年性、いつも何かを企んでいて、人々を驚かせることに全力を注いでいた日々の感覚を取り戻していたようで、トリッキーな展開で観客を翻弄。小室が『STILL LOVE HER』のイントロを奏で、そのまま同曲のAメロへと入っていくかと思えば、まさかの「Revolution……」。曲は大名曲『SEVEN DAYS WAR』へと移行し、目映いほどの光に照らされた空間で、久しぶりにあの「La La La~」の大合唱が響き渡っていく。

 更には、TMを代表する2大ダンスナンバーを変則的に一体化してしまった『Come on Let's Everybody(Come on Let's Dance+Come on everybody)』で、武道館をディスコ的なグルーヴで埋め尽くしていくのだが、そのプレイ中に音が出なくなるトラブル発生。怪訝な顔を浮かべながら宇都宮はステージを去ってしまい、スタッフが慌てる中、木根と小室も居なくなってしまう。ライブは頓挫。客電が入り、このまま終演してしまう気配すらあったのだが、しばらくして小室が再びステージへ戻ってくる。

 そして『GIVE YOU A BEAT』でもって「Welcome to the FANKS」と、改めてファンのみんなを歓迎(※FANKS=TM NETWORKファンの総称)! 想定外の展開でもって会場の熱を更に高めていく。その後も、TK Key Soloの流れから映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」主題歌にもなった『BEYOND THE TIME』を宇宙の映像バックに披露したり、宇都宮の「2012年、3人がここに立てて。こんなにもたくさんの皆さんが来てくれて、幸せです。そして、この曲が生まれたということは必然でしょう」というMCから、あらゆる人との関わりを歌った新曲『I am』を熱唱したりと、彼らは1曲毎に感動的なドラマを生み出していく。

 更に「(TM NETWORKがデビューしてから)28年の間に地球上では紛争、自然災害、事件、あらゆる困難が起きてきましたが、その度にそれぞれみんなが勇気を持ちました。この先、起きるであろう困難に勝利していく為に必要なものは、自分たちを信じること。たったひとつの心の勝利でいいかも」と『JUST ONE VICTORY』を届ければ、ライブは『Get Wild』『Wild Heaven』『Be Together』とファンでなくとも知るキラーチューンの畳み掛けへ。

 宇都宮と木根が息ピッタリのターンを決めたり、小室がシンセサイザーの輪の中で子供のように大暴れしたり、そうしたひとつひとつのアクションにファンは熱狂したりで、この日最大のスパークが生まれる。そして、壮大なアレンジが施された『Self Control(方舟に曳かれて)』で“人間はどんな困難でも乗り越えられる”ということをメッセージすると、曲は序盤でBGM的に聞こえていた『ELECTRIC PROPHET(電気じかけの予言者)』へ。宇都宮が「今夜のような夢を見せてあげるよ」というフレーズを強調して歌うと、会場はこの上ない幸福感に包まれていく。

 気付けば、前述したカウントダウンの残り時間は5分を切っていた。そこでTM NETWORKがラストナンバーとして披露したのは、まさかの『TIME MACHINE』。彼らはかの東京ドーム2days公演の最後に届けた曲を選んでいた。そして、すべての工程を終えた3人がステージを去り、カウントダウンはゼロに向かって突き進んでいく。が、切ない空気が武道館を埋め尽くしそうになった瞬間、客席から歓喜の声と大きな拍手が飛び交う。目前の数字はゼロで止まらず、なんとカウントアップを始めたのだ。

 完全復活を遂げ、ここからまた始まっていくTM NETWORKの物語。3人が今度はどんなサプライズを届けてくれるのか、楽しみに待つこととしよう。

 ※写真は4月24日の公演のもの

◎シングル『I am』
2012.04.25 RELEASE
AVCD-48427 1,050円(tax in.)



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